建築中の現場
現在、遺構や遺跡が眠っている可能性の高い土地は、「埋蔵文化財包蔵地」としてその地域の教育委員会などが作成する「遺跡地図」あるいは「遺跡台帳」によって管理されている場合がほとんどです。
この「埋蔵文化財包蔵地」で建設工事等の事業を行う場合は、予め管轄する自治体の教育委員会と協議し許可を取り、発掘調査が必要な場合は調査を行い、それから工事をスタートさせる必要があります。
今回弊社が工事予定だった土地も「埋蔵文化財包蔵地」に指定されており、自治体との協議の結果、調査が必要と判断されたため、発掘調査を行いました。
周辺地域では主に鎌倉時代の遺跡・遺構が出土しており、本調査でもそれに近しいものが見つかるかもしれないとのことでした。
発掘調査の結果、鎌倉時代のものとみられる竪穴建物の遺構が出土しました。
これまで、鎌倉時代の住居は掘立柱建物、礎石建物が主流とされていましたが、近年の調査では、庶民の住居に関しては竪穴建物の方が一般的であったとされています。
今回出土した遺構もそれを裏付けるもので、遺構の状態等の観点から文化財として取り扱われるものではありませんでしたが、きちんと記録として保管され、後世の考古学の礎になる事でしょう。